第58章 点綴
「…はい…」
「すみません…」
「はい…」
「…はい」
「…っ…は……い」
「大丈夫…です…」
「タクシーで…」
「ありがとう…ございます。」
聞こえる会話から、推測するに誰かのとこに行くんだろう。
タクシーね。
オレのことは頼ってくれないんだ。
って、当たり前か…。
聞き耳立ててる自分に失笑するよ。
視線を移せば小さな背中。
支えたいって思ってるこの気持ちは…
体(テイ)のいい言い訳。
ただ手に入れたいだけ。
ノブのとこになんて帰したくないよ。
出来ることなら離したくない……。
出来もしない望みだけど。