第58章 点綴
カタンとローテーブルの上にマグカップが置かれた。
「ホットミルク」
手を伸ばせば温かい。
「達央さんの口からホットミルクだなんて。」
「お前なっ!」
マグカップに口を付けて飲み込む。
「美味しい…」
自然と緩む頬。
ポンッと頭に置かれた掌。
「やっと笑った。」
「ヒナは、オレの前では笑わないからな。」
困ったような笑顔に顔を伏せる。
「唯のとこでも行くか?」
首を横を振る。
「ここにはいられないだろ…」
それくらい分かってる……
それでも…もう少しだけ。
膝を抱えまぶたを閉じた。