第55章 冀望
『今、新幹線に乗ったから今日中に帰るよ。』
送信すれば、すぐに既読になる。
『え!?今日帰れるんですか?』
『うん。飛行機の最終には間に合わなかったから新幹線にしたんだ。』
『東京駅に、24時少し前に着くから…帰るのは1時過ぎちゃうかな。』
『だから、先に寝ててね。』
『迎えに行っちゃダメですか?』
『危ないから絶対にダメ!』
『家で待ってなさい。』
『んー。じゃあお風呂溜めて待ってますね。』
『それはフラグ?』
『?』
『昨日みたいに一緒に入りたいのかと思って。』
『何言ってるんですか!』
『あはは』
『ごめんごめん。なるべく急いで帰るね。』
『はい。気をつけて帰ってきてください。』
会えなくても、こうして会話すれば良かったんだ。
今まで気を遣いすぎてラインもしなかった。
気遣いすぎるのも如何なものだよな。
うん。
これからは、もっと話をしよう。
出来る限り一緒にいよう。
そう思いながら、瞼を閉じた。