第55章 冀望
「お疲れさまでーす!」
打ち上げも早々に、その足で新幹線に乗り込む。
「今から帰るの?」
「え?お前帰るの?」
「泊まっていくんだろ?」
自由くんとカッキーさんと浪川さんが驚くように声を掛ける。
「愛する日菜乃ちゃんの元に帰るんだよな-?」
からかうようにボクの肩を抱く良平さん。
「だから!何で日菜乃ちゃんの名前が出て来るんですか!」
「ノブ。帰るなら、そろそろ時間マズいよ?」
少し離れた所からマネージャーから声が掛かる。
「はーい。帰ります!」
「では、皆さま。申し訳ありませんが失礼します!」
「今後とも宜しくお願い致します!」
脱兎の如くその場を走り抜けた。