第52章 再来
収録が終わりスタジオ近くのカフェに立ち寄る。
コーヒーでもテイクアウトするかなー。
スタジオ近くのカフェなんて、普段はなかなか寄らないけど今日は何となく足が向いた。
注文を終え、タンブラーに入ったコーヒーを受け取り顔を上げると少し離れた席に目を引く女のコ。
周りとは違う雰囲気が漂う。
うん。多分同業者。
立ち去ろうと歩けば、聞き慣れた声。
「ありがとう」
目をこらせば気になるあのコ。
これは声を掛けない訳にはいかないよね?
足取りは軽く弾むようだよ。
「あれ?ヒナ?」
これなら警戒されないかな?