第51章 一笑
怪我を聞きつけたマネージャーに叱られた。
「階段から落ちたなんて不注意もほどがある!」
「すみません…」
「でも、この程度で済んで良かった。」
そっと背中を撫でる仕草に泣きそうになる。
「深夜でも私に必ず連絡すること。」
「私はアナタのマネージャーなんだから。」
悲しそうに笑う表情に胸が痛い。
私は回りを笑顔にするどころか悲しませてる。
本当に情けなくなる。
悲しくなる。
「私はそんなに頼りない?」
「そんなこと無い…ごめんなさい。」
少しの沈黙が長く感じる。
視線を落とし自分のしたことを再認識。
「これからは、ちゃんと連絡します。」
「電話でなくとも、メールなりラインなり必ず…」
そう言えば、ゆっくり息を吐いて私を見つめる。
「さて。気持ち切り替えて。」
「少しの間は運転出来ないだろうから、私なり事務所の誰かが車出すから。」
「でも…」
「でもじゃない!それには従ってちょうだい。」
叱るような視線に頷く。
「よろしくお願いします。」
これからはもっと気を引き締めて頑張らないと。
改めて心に決めた。