• テキストサイズ

逢ふことの(裏)~声優さんと一緒~

第51章 一笑


岡本さんになんて連絡出来ない。

負担になりたくない。

心配なんてさせたくない。


「放っておいて下さい!」

「大丈夫です!」

それに…これ以上達央さんに頼ったら…

あの頃に戻ってしまいそうで怖い。

お願いです…このまま置いて行って下さい。

舌打ちに顔を上げると見下す視線に肩が竦む。


「どこが大丈夫なんだ!?」

「いい加減にしろよ。」

「そんな状態で治るわけないだろ?」

「遠慮なんかしてる場合じゃないだろうが。」

浴びせられる怒号に視界が滲む。

「ヒナ?」

呼ばれた声はさっきと違って落ち着き優しい。

「なぁ?」

「無理しても仕方ないだろう?」

「今日だけは甘えてくれよ。」

「なぁ…」

「今日だけは頼ってくれよ。」

肩にそっと触れる大きな掌。

優しさを感じる温かさ。

まばたきをすれば頬を伝う涙。

私は小さく頷いた。

/ 549ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp