第47章 冀求*
「じゃあ、今回は明かり消してあげる。」
「その代わり。ボクのお願いも聞いてね。」
暗闇に目が慣れない。
さっきの岡本さんの言葉が頭の中を反響する。
今まで見たことの無い岡本さん。
聞いたことの無い発言に行動。
夢じゃないかって何度も思った。
頬に触れる唇。
太ももを這う舌と肌に掛かる吐息。
思い出すだけで頭がショートしそう。
「腰浮かせて?」
言われるがまま、腰をを浮かせれば脱がされるワンピース。
慣れた手つきに戸惑ってしまうの。
他の誰かにもこうして触れたの?
そう思うだけで胸が苦しい。
自分は散々な事してきたのに…
耐えられなくて岡本さんの背中に腕を回し抱き締める。
「どしたの?」
驚いたように上ずった声。
こう言うとこ可愛いと思ってしまうの。
「何でも無いです…」
「え?隠し事?」
そう言うと額、瞼、頬、鼻先…とキスの雨を降らせる。
くすぐったさに笑えば、暗闇に慣れたせいかやっと岡本さんの視線とぶつかった。