第47章 冀求*
隠し事?
不安な気持ちが言葉に出てしまう。
情けない。
誤魔化そうとキスの雨を降らせた。
そうすれば恥ずかしそうに笑いながら、カラダを捩って、ボクの顔を覗う。
ぶつかる視線。
見透かしそうな瞳が、遮光カーテンから時折漏れる月の光を浴びて妖艶にボクを見つめる。
照明を消しても開けたバルコニーへ向かう窓から吹き抜ける夜風。
もっと強く吹けば良いのに。
そうすれば、日菜乃ちゃんのカラダが見られるから。
チラッと離れたバルコニーがあるであろう先を見つめる。
「岡本さん?」
そう呼ばれて、我に返った。
「ごめん。よからぬ事を考えてた。」
「神さまは、そんなに甘くないみたい。」
「今、この瞬間に感謝しないといけないのにね。」
あははっと笑えば不思議そうに首をかしげる。
このコは本当に…ボクの理性を飛ばしに掛かる。
「ね?」
「続きしよっか?」
半身を起こし、今度は鎖骨、胸へと唇を這わす。
微かに触れる唇でも分かるくらい主張し出した胸の先端。
口内に含み、舌先で弄べば吐息に混ざって聞こえる嬌声。
うん。
耳と味わう感覚だけで十分。
視界まで味わったら、どうにかなっちゃうよ。