第5章 翻然
ボクは女性声優達に弾かれた。
食べ物って怖い。
スイーツって怖い。
女の人って怖い。
そう思って眺めていると、一気に人気が減った…
ポツンと立ち尽くす日菜乃ちゃん。
「大丈夫?」
手に持ったBOXを覗くと空…。
「もしかして…日菜乃ちゃん取れなかった?」
「あはは。まぁ…仕方ないです。」
眉を寄せて、肩をすくめる。
「ごめんね。」
「謝らないで下さいよ。」
「大丈夫ですから。」
話しをしながら、空になったBOXを畳む。
「岡本さんは、あのお店のエクレアお好きなんですか?」
「いや…気になってたからボクも現場で食べようと思って持ってきたんだけど…もう無いね。」
「自分で買ってきたのに、食べられないなんて…切ないですね。」
今度は、困ったように眉を寄せる。
「残念でしたね。」
「私は、岡本さんのお気持ちだけ頂きます。ごちそうさまでした。」
何か埋め合わせしないとな…
喜ばせようと思ったのに、気を遣わせてどうするんだよ。