第45章 薄暮
日菜乃ちゃんを追いかけて、ハワイまで来ちゃったよ。
久しぶりのハワイ。
「んー!」
空気も日差しも日本とは違う。
「ハワイだー!」
肺いっぱいに空気を吸い込む。
「おっと。急がないと。時間が無いんだった。」
時計を現地時間に合わせて、急いで目的地へ向かう。
集めた情報によると日菜乃ちゃんがいるのは、ワイキキビーチ沿いのホテル。
立ち上げたLINEにはカノジョの楽しそうな写真が添付されている。
能登さんに頼み込んで、何とかマネージャーさんに送って貰った情報。
思い出すこと数週間前。
「あら?頼み事をするときは手ぶらでいいのかしら?」
「う…ごっ…ご希望のモノをご用意致します。」
「いいの~?何だか催促しちゃったみたいで悪いわねぇ。」
ウフフと笑って楽しそうな能登さん。
「信彦くん。これだけは約束して欲しいの。」
一度目を閉じ、今度は真剣な表情でボクを見つめる。
「私の可愛い日菜乃の事、幸せにしてね。」
「まぁ、日菜乃がOKすればの話だけど。」
「楽しそうな事が起こりそう。」
フンフン♪と鼻歌を歌う。
相当ご機嫌な能登さん。
「マネージャーには、話しておくけどダメだったらごめんなさいね。」
「うちの稼ぎ頭だから、周りが煩くてね。」
「じゃあ、頑張ってね~。」