第45章 薄暮
ビーチを歩けば、色んな国のカップルや夫婦、友人…みんな楽しそうに夕陽を見つめている。
その横を一人歩く。
「んー!すごく綺麗。」
視界には幸せそうな人たちばかり。
より一人を実感してしまう。
「やっぱり一人なのは残念かな…」
自分で言って笑っちゃう。
暖かい砂の上を少し歩くと座れそうな場所を見つけ、腰を下ろす。
ビーチに座りサンダルを脱いで足を投げ出した。
ワンピースが砂まみれになっても構わない。
水平線に沈み掛ける太陽が徐々に形を変える。
少しずつ周りの話し声も自然と小さくなってきた。
必然的に煽情的になってしまうの。
「次は…岡本さんと来たいな。なんて。」
この夕陽を二人で見られたら。
また考えるのは岡本さん…
本当に何やってるんだか。
瞼を閉じて、両手を上げてグッと伸びをした。
「ボクならここにいるよ?」