第5章 翻然
「ね?日菜乃ちゃんって甘いもの食べる?」
スタジオ入りした岡本さんに突然声を掛けられ驚いた。
「え?何ですか?」
「だ・か・ら」
「あ・ま・い・も・の!」
ニコニコしながら、話し掛ける姿に何だか私も楽しくなる。
「はい!食べますよ~。疲れたときとか特に欲しますね!」
「そっかそっか♪」
何だか楽しそうな岡本さん。
何かあったのかな?
「岡本さんは、スイーツとかお好きなんですよね?」
「うん。」
「『和』か『洋』なら、どっちがお好み?」
急に真剣な眼差しを向けられ少し戸惑う。
「えっと…そうですね。どちらも食べますけど…」
本当はお酒!って言いたいところだけど。
「どちらかと言えば洋ですかね?」
「そっかー。じゃあ、コレあげる。」
後ろに隠した袋から何かを取り出す仕草に視線が釘付けになった。