第37章 乱脈
シャワーを浴び終え、急いでリビングに戻ると岡本さんはソファーで寝ている。
テーブルの上には岡本さんの写真集。
見られた…
いや。本人に見たって言ったんだから問題無いでしょ。
いい訳のように自分に言い聞かせる。
近づきそっと肩を叩く。
「岡本さん?」
「本当に風邪引いちゃいますよ?」
どんなに揺すっても起きそうにない。
「あの…岡本さん…」
うっすら開いた唇。
気持ち良さそうに眠る表情…
少しだけ…
指で唇をなぞり、その指で自分の唇なぞる。
もう少しだけ…
顔を近づけそっと唇を岡本さんの唇へ…
フワッと柔らかい感覚に、もう少しだけ…と唇を離せなかった。