第34章 疆域*
寝室に吐息と甘い声が響く。
「んっ…森本さっ」
「日菜乃?…名前で。」
唇も舌も感覚が無くなるくらい貪る。
その間に俺は自分の唾液を水澤の口内へ流し込む。
その度にコクッコクッとノドを鳴らし飲み下す。
「もっと…曹さん…下さいっ」
上気する頬に、潤みを増した瞳。
どんどん色気を纏うカラダ。
口づけを交わしながら、ブラウスのボタンを全て外し脱がせる。
キャミソールの下から手を忍ばせ、掌で包みこめる程度の小さな膨らみにそっと触れれば漏れる嬌声。
「んっ」
逃げるカラダを空いた片手で動きを封じた。
ベッドに押し倒し、今度は耳に舌を這わす。
わざと聞こえるように、唾液を含ませ音を立てれば肩をすくめて瞼をギュッと閉じる。
「感じてんの?」
吐息を絡めて問えば、フルフルと首を横に振り『違う』と訴える。
「分かってないなぁ…」
「日ごろの素直さを隠してどうする…」
「いつも通り『素直』にな?」
耳朶を嚙みながら、胸に這わせた指でコロコロと先端を弄れば期待通りの反応。
「やっぁ…んっ」
「そうそう。もっと声出して?」
キャミソールとブラを床へ落とし、首筋にキス。
鎖骨、そして…もう片方の膨らみへ。
先端を口に含めば、柔らかかった部分もすぐに固くなる。
「こんなに尖らせて…困った子だな。」
指先で摘まみ、弾き、押し込める。
今度は指を離せばすぐに隆起するカラダ。
「曹さっ」
背中を反らせて、まるで強請っているよう。
さっきから太股を擦り合わせてもどかしい?
スカートから覗く、少し焼けた太股に手を伸ばした。