第29章 陶酔*
「もっとっ…奥がいいっ」
「本当ワガママだよな?」
足を割り、枕元に両手を付いて奥に擦りつける。
「ぁっ…んっ」
「奥がいいんだろ?」
「そこっ…もっと」
俺の首に腕を回し、キスをせがむ。
舌を絡ませ唾液を流し込めば、咽を鳴らして飲み込む。
「もっと頂戴…」
虚ろな瞳は、俺を見つめて誘う。
「達央…さんっ…もっと」
ナカをヒクヒクと震わせながら、絡み付く。
「お望み通りっ」
今度は腰を掴んで、律動を開始すれば動きに比例するように嬌声が部屋に響く。
「んっ…はぁっ…んん」
背中に爪を立てて、絶頂に上り詰めるヒナ。
動く度に放すまいとうねる内壁に俺も限界が近くなる。
「ヒナっ…そろそろ…っ」
「達央さん…私もっ…っ」
俺の腰に自ら足を絡め、腰を振る姿に俺も律動を早める。
「やっ…ぁんっ…イっちゃうっ」
「ぅっ…くっ…」
両目を閉じて、痙攣するナカを味わいながら自らも絶頂を味わう。
全て出し切るように数回ゆっくりと抽出を終えると、ズルッとナカから引き出す。
ビクンッと跳ねるヒナのカラダ。
恥ずかしそうに、そのカラダを丸めてベッドの下に落ちた布団を引き上げ包まる。
その仕草を横目に俺は寝室を抜け出した。