第23章 密事*
「もう外は明るいよ?」
「朝日を浴びると目が覚めるんだよ~」
真っ暗な部屋を縦断し、遮光カーテンを勢いよく開ける。
「うー。眩しい!」
くるっと向きを変えて、部屋を見つめる。
誰もいないはずのベッドに丸みを確認する。
「ん?」
一歩一歩と近づくと、床には脱ぎ捨てられた服。
ブルーのショーツ。
ベッドサイドには、封の開いた小箱。
中身が空っぽのビニールの小袋。
ゴミ箱には大量のティッシュ。
「まさか…」
布団から覗くピンクのお花とゴールドの蝶々のペデュキュアが施された足。
「ひっ…」
ボクの声が聞こえたのか、その足は布団の中にゆっくりと消える。
「おっ…お邪魔しましたー。」
ダッシュでドアへ向かうと調度バスルームからドライヤーを持ったタツくんと目が合う。
部屋に入ったときには気づかなかった。
上半身裸のそのカラダに残る赤いシルシ達。
「ごめんね!お邪魔しましたー!」
ドライヤーも受け取らず、ボクは部屋へと逃げ帰った。