第19章 讒訴*
欲望のまま腰を沈めて、今度はギリギリまで引き抜く。
何度も何度も繰り返し達央さんの唇を奪う。
「っ…んんっ」
あれからずっと求めてた。
ずっと誤魔化してきたの。
でも、目の前に居るんだから。
我慢したご褒美だと思って頂きます。
それに今日は気分が良いの。
岡本さんには、こんなこと出来ないから……
アルコールに酔ったフリなんて、自分を演じる私にとっては何てこと無い。
「達央さんっ」
「気持ち……っ…いい」
どんどん熱量を増して、私のナカで大きくなる。
「はぁ…っん…」
汗で額に付いた前髪を指で寄せる。
瞼にキスを落とし、肩に手を掛け強弱を付けて抽出を繰り返す。
「呼んで…っ…くれます?」
「クソッ…呼ばねーよ」
「本当に素直じゃない。」
キュウッと締め付け、奥まで挿入しグリグリと擦る。
今度は、再び抽出を繰り返し快楽を呼び寄せる。
「はぁっ…」
腰を掴まれ上下に揺すられ、嬌声が洩れてしまう。
「やっんっ…」
「黙っていれば良い気になりやがって」
今度は下から突き上げられ、止めていたクリップが個室の外へ滑り出る。
ガチャっと扉が開く音が耳に届く。
「日菜乃ちゃん本当に可愛いよな。」
「酒飲んで赤くなっちゃうなんて可愛すぎるよ。」
「仕草も態度も男心をそそるよな?」
「無垢な『水澤日菜乃』ちゃん。」
「男とかいんのかな~?」
「俺立候補しちゃおうかな。」
「お前なんか相手にしねーよ。」
「お前もな?」
あははと笑って、用を足す。
ナカに入ったままジッと時が経つのを待つ。
額を流れる汗。
早く行って…
そう思っていた所で繋がる部分に刺激を与えられる。
「やっ…」
「ん?何か聞こえた?」
「は?何?」
「そう言えば日菜乃ちゃん何処行ったんだろうなー。」
「誰かにお持ち帰りされてたりして。」
「止めろよな。」
遠ざかる声。
安心したのも束の間。
カラン。
「なんだコレ?」
「髪留め?」
「何で?男子トイレに?」
「…………」
視線を達央さんに向けるとニヤッと笑う。
嫌な予感しかしない。
腰を掴まれ、抽出を再開する。
「ぁっ…」
口を塞ぐももう遅い。
「マジでヤってんのかよ…」
「羨ましいよな。」
「ほら行くぞ…」