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逆ハーほどつらい立場は無い。

第2章 1人と1匹。


コミュ障な魔女四季。その使い魔96猫。
そんな2人が今日も今日とて、いつもとなんら変わらないライフサイクルを始める。

はず、だった。
そもそも、なぜ96猫が20年も暮らしているのに四季に魔の森に人が寄り付かないようになったのか説明したのかと言うと・・・。




四季「・・・さて、それじゃ行きますか」

96猫「待ってろ、タピオカぁぁぁぁぁ!!!」




理由は至ってシンプル。
96猫の主食であるタピオカが、今日の朝食分でラストだった為に四季が数年ぶりに国に出向く事になった。そこで四季が「あれ、そう言えばこの森って何か名前ついてたっけ?」とこぼしたのがきっかけだった。


タピオカは96猫にとっては栄養源。
タピオカが無いと96猫の魔力は切れ、ただのどこにでも居る黒い猫になってしまうのだ。


そんなこんなで、2人は出かける支度を終わらせて玄関から外に出た。




四季「っ・・・・・・」

96猫「よっしゃ、タピオカァァァァァァァァァァ!!!・・・ん?
あれ、四季大丈夫?」

四季「なんか・・・思いの外、直射日光が・・・」

96猫「あー、コミュ障ヒッキーには辛いかー・・・。
まあそろそろ光祭(ひかりまつり)の日だからかもねぇ。
あー!タピオカタピオカっ!!」

四季「光祭・・・・・・。ああ、年に一度だけ太陽と月がめちゃくちゃ光るんだっけ。・・・どのくらい期間あるんだっけ?」

96猫「1週間くらいだぉタピオカァァァ・・・!」

四季「1週間・・・も、続くの?
この直射日光が・・・」

96猫「んも〜っ、ずーっと室内に籠ってるからだよ?
これを機にヒッキーくらいは卒業したらどうかのうタァァピオカァァァ!!」

四季「・・・・・・別に、外出なくても死なないし」

96猫「ぶー・・・四季がヒッキー卒業して、尚且つコミュ障克服したら紹介したい奴居たのにタピオカフゥゥゥ!!!」

四季「紹介したい奴・・・?
て言うか語尾がタピオカになってるよ96さんや」




タピオカタピオカと足元でせわしなく騒ぐ96猫を横目に、四季はフードを深く被って呪文を唱えたのだった。
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