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逆ハーほどつらい立場は無い。

第2章 1人と1匹。


現代社会と魔法が共存するふたつの大きな国。

の、真ん中ら辺にある大聖堂の裏。


そこに人を寄せ付けないオーラを醸し出す、不思議な森があった。

その森に足を踏み入れたら最後、二度と帰って来れた者は・・・・・・。
と言う曰くつきは決してなく。
足を踏み入れは出来るものの、いつの間にか国へと戻されてしまう場所。


互いの国の憲兵達やら好奇心に駆られた冒険者達やらが肝試しだの冒険の匂いがするだので、一時期は一斉にその森へ押し寄せた事もあった。

だが、それでも。
その森の奥へは誰も辿り着けなかった。
全員が国のどこかしらへと戻されていたのだ。


そして最終的に結論づけられたのが・・・魔女説だ。


あの森の中には魔女が居て、魔術か何かを完成させる為に誰一人寄せ付けないようにしている。
だから人避けの魔法ないしはまじないを森にかけているのだ。

と。




96猫「それがワシらの住む魔の森なのじゃそうな・・・」

四季「えー・・・半分正解で半分誤解な説だね。
てかなんで語り部口調・・・?」

96猫「ふふふー、ノリ。
まあそれもこれも、四季がコミュ障ってだけの理由で掛けた人避けのせいなんだけどねえwww」

四季「い、いや別にコミュ障って訳じゃないよ?
ただ人間と喋ったりするのが苦手で賑やかなのが苦手で空気読むの上手いだけだし?」

96猫「それをコミュ障って言うんだよww」




魔の森の最奥部にある、巨古木にて。

エスニックな壁紙と北欧調な家具が置いてあるリビングで、1人の女と1匹の黒猫が喋っていた。


人語を介す猫も驚きなのだが、一方の女も女だ。
女の姿格好は口元をすっぽり覆ってしまう程の灰色のハイネックインナー。濃紺色の、襟と袖が長いコート。深い青のジーンズ。
そして薄い灰色のボサついた、肩まであるショートヘア。特徴的な右が白・左が黒の目。

彼女は茅兎星四季。そして黒い猫は96猫。
深い理由ではないものの理由あって魔の森の奥深くにある巨古木の家にひっそりと暮らしている。


その理由が、まあ・・・今96猫が言った通りのコミュ障なのだが。

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