第2章 理解できない理解者
「影山くん!」
名前を呼ばれた、さっき見たばかりだ、何故か五十嵐サンがいる。
鼻赤くして、すっげえ寒そう。
「その、さっきは気を悪くさせたみたいでごめんなさい。」
「……いや、俺もいいすぎたし、気にしなくていいスよ、……てか、うん、こっちこそ悪かった。」
なんだ、面と向かってこう謝られるとどうもやり辛い。
しかし、五十嵐サンはほっとした様子ではにかんだ。
「あとね、影山くん」
「おーい、さっさと帰れよー」
五十嵐サンの言葉を遮って先生が遠くから大声で叫ぶ。
たしかにもう暗いしな。
「五十嵐サンどっち方面?」
「バス停んとこ曲がって、コンビニのあるほう。」
「コンビニの方?結構遠いんだな。」
「そうだね、歩いて20分くらいはあるかも。」
俺はそこまで遠くはないが、とりあえず途中までは一緒の道のようだ。
何も言わず隣を歩くと、「影山くんもこっちなんだね」と笑顔で見上げられた。