【おそ松さん】六つ子におぼれてみる気、ない?【R18】
第7章 あれから四年
ちゃぷん、と音を立てて
7人で入っても大きすぎる湯船に体を沈める。
「柚葉ちゃん、今日もお疲れさま!」
横で大きな口を開けたまま、
目だけ細めてほほ笑む十四松に
ありがとう、と返す。
4年たっても変わらない十四松の笑顔に
一日の疲れが癒されていく。
ふ、と十四松は大きな口を閉じ、
猫のような目で
「柚葉ちゃん、そろそろお仕事辞めなよ?」
と言う。
猫のような目も、普段大きく開かれた口を閉じるのも
十四松が真剣に話をするときの癖だ。
よくみんな、仕事、もう辞めなよと言ってくる。
けどそれは挨拶のような、いつも交わされる冗談のようなもので。
十四松はそのままそっと目を伏せる。
「ねぇ柚葉ちゃん。
初めは柚葉ちゃんに頼ってばっかだったけど
俺、もうちゃんとお金もらえるようになったよ?
それに、俺達6人いるんだ、柚葉ちゃん一人ぐらい養えるよ」
そう、だなぁ・・・。
彼らは自らで会社を作り、この4年で急成長させた。
私一人と言わず、何人でも養えるだろう。
「今度はね、俺達が柚葉ちゃんを支えたいんだよ」
そう言って後ろからそっと優しく抱きしめられる。