• テキストサイズ

【おそ松さん】六つ子におぼれてみる気、ない?【R18】

第6章 松野家流おもてなし


【一松】

僕は臆病だ。
人とかかわることを避けてきた。

だからか、人間観察は得意なほう。


顔色変わるのとか、すぐ分かる。


全員を言い当て、ニコ、と笑った顔。

確信を持った表情。
外れるとは1ミリも思ってない。

一卵性の六つ子だよ?

僕でさえ、今の状況を写真にでも取られたら分からないかもしれない。


じっと表情をうかがっていると
柚葉ちゃんもこちらに気付いたようで
視線を合わせてくる。


・・・何かに怯えてる?
隠し事をしてる時の顔してる。

でも目は泳がないんだ?

不思議な子。

・・・だから好きになったんだ、きっと。


「どうした一松!
驚きすぎて声も出ないのかー?」

おそ松兄さんの声にハッとして視線を逸らす。


何に怯えてるの。
何を怖がってるの。


君を知ってから
もうずいぶんと長い間君を見てきたのに
まだまだ分からないことだらけ…。


もっと知りたい。
君が知らない君まで。


あぁ。
僕は一生、人を好きになることなんてないと思ってた。

こんなクズでゴミの僕が。

もう一度そらした視線を戻すと
柚葉ちゃんの瞳はどこでもない空を見つめていた。


ねぇ、どこ見てるの。
君の目には何が映ってるの。


あぁ、僕だけ。
僕らだけしか映らなければいいのに・・・。
/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp