【おそ松さん】六つ子におぼれてみる気、ない?【R18】
第2章 出会い
でも、いつまで待っても痛みは来なかった。
鈍い音も体ごと飛ばされる衝撃も。
代わりに聞こえてきたのは直樹じゃない男の声。
「何があったのかは分かんないけどさぁ
女の子に手上げちゃダメだよねー?」
その声に驚いてバっと顔を上げた。
それはさっきの男の子だった。
あたしの後輩と、来た時に話してた男の子。
無意識に『男』じゃなくて
『男の子』って認識しちゃうぐらい
可愛らしい男の子。
「お姉さん、平気?とりあえず出ようか?」
直樹の手首を片手で掴んだその男の子は言った。
こんなフワフワしたかわいい男の子が。
直樹の手を押さえてる・・・?
さっきも言ったけど、直樹もあたしも
それに、冬夜も、元ヤンだ。
そこそこ強かったはずだし、
直樹なんて未だに短気ですぐ喧嘩して帰ってくるから
弱くなってることないと思うんだけど・・・
それは直樹も同じだったようで
怒りなんて忘れたような顔で
「は・・・?なんで・・・?」
って言いながら固まってる。
そこまで言って直樹がハッとした顔になった。