第3章 俺のもの
「りーーいーーーくーーーん?」
「んあ……?友梨香……」
「寝ぼけてないでよお、このおバカ……っとぁ!」
寝ぼけ目で見える友梨香は偉く興奮してるようで、ズカズカ部屋に足を踏み入れたと思えば、ベッドの前に脱ぎ捨てた俺の制服で足を滑らし、そのまま俺の腹に倒れこんできた。
「ぐえ。…ちょっと、信じらんない…てか今兄者いないはずなんだけど?いよいよ不法進入でしょ。」
すんごく痛いし、変な声出た。
寝起きの苛々もあって友梨香を睨むと、顔を上げたその顔が泣きそうに歪んでいた。
「…何事なの。」
「りーくんはずるいよ。近くにいれるだけでずるいのに、もっともっとずるい。
りーくんのダメダメさに敵う奴なんて、この世に存在するわけないのに、勝てるわけないじゃん!」
そういって、わっと泣き出す。なにこれ。
「ちょっと、うるさいからせめて耳元で泣かないでよ。」
「うるさい!りーくんのダメダメ!わたしまでしっかりしちゃうじゃん!」
「えぇ…うるさいのはそっちだし…てか友梨香は昔っからしっかり者じゃん。」
「それが駄目なの!……それじゃあ、まーくんに見てもらえないの。」
声が尻すぼみに小さくなっていき、やがて俯く。