第2章 わたしのすきなひと
小学生から中学生までずっと一緒で、ずっと見てきたまーくんは、いっつも人に囲まれてて、人気者で、キラキラしてて。
それでも出来ない子の振りをすれば、まーくんは絶対気にかけてくれたし、そうしてればずっと傍にいれると思ってた。
けど、高校に上がる時に急にアイドル科の高校に行くって言い出すし!
親の意思で公立一択だったから普通科の方ですら同じ学校に通えなかったし…
それにアイドルなんて、まーくんが遠い存在になっちゃう…
まーくんみたいなかっこよくて優しくて完璧な男の子、人気が出ないわけがないのに!
だから、焦ってしまう。一緒にいれる時間が少なくなった分、どでかいダメっこアピールで、まーくんに俺がいなきゃ駄目だって思ってもらわなきゃ。
ずっと近くにいられるようにしなきゃ!
そんな事を考えてぼんやりしていたら、前の席から何やら紙が回されてきた。
「それでは今から小テストをはじめますね。時間は〜」
数式が並んだプリントが一枚。こんな簡単なの余裕で解けてしまう。
そこで気づく、これだ!