第13章 告白
「おまたせ、友梨香」
ドアの開く音に、慌てて姿勢を正す。
コップとペットボトルのお茶を抱えて戻って
きたまーくんは、先程と変わらず浮かない顔で。
「まーくん、今日元気なさそうだけど……今日送ってくれた事情っていうのと、何か関係ある?」
段々と落ち着いてきたわたしは、漸く訊ねる。
まーくんのことだ。
また色んな面倒事を抱え込んで、気を揉んでいるのかもしれない。
先日のように、聞いてくれてよ、とすぐ話し出してくれると思った。
しかし、わたしの一言で、まーくんは、お茶を飲もうとコップを持った手を止め、そのまま机に再度置いてしまった。
一向に口を開こうとしない。
「今日話っていうのはだな……その………」
ようやく開口するも、言いにくそうに口籠もり、息を吐いたりして、落ち着かない様子でいる。
なんとなく嫌な予感がした。
「どうしたの?まーくん、珍しい。今日ちょっと変……」
場の空気を濁そうと、態とらしく明るく振る舞う。
すると、まーくんは、わたしを見て悲しそうに、でも覚悟を決めたように向き直って、
「…ごめん、もう友梨香とは、簡単に会ったりすることができない」
そう言った。