第13章 告白
まーくんの家にお邪魔するのは、おそらく小学生以来。
当時はゲームしたり、一緒にお菓子食べたりして遊んだったけ。
「いらっしゃい。わざわざごめんな。」
入って。と促すまーくんは、顔は笑顔だけど、声は沈んでいて。
どうしたの、と心配するにも、わたしはわたしでまーくんの家に足を踏み入れたら心配なくらい動悸がしてきて、それどころじゃない。
階段を登り、うっすらとした記憶に残る家の作り。
そうだ、この廊下の、右の扉。
久しぶりのまーくんの部屋。
まーくんの匂いが充満していて、いるだけでくらくらしてしまう。
「とりあえず座って。俺、飲み物取ってくるな」
不自然に棒立ちのままでいるわたしを、まー
くんはクッションがある方の床に促す。
まーくんが階段を下る音が遠くなり、しん、と部屋が静まり返ると、自分の鼓動の音がうるさいくらい聞こえる。
ブルー系が多いけど、やや色が不揃いなファブリック。
壁にかかったユニフォーム、床に転がったバスケットボール。
ギターにアンプ。
若干散らかり気味の勉強机。
少し大きめのベッドに、無造作に畳まれた掛け布団。
しっかり者だけど、ちょっとだけ大雑把なまーくんの性格が、この一個の空間にそのまま現れていて、つい顔が綻ぶ。
部屋全体を隈なく見渡すと、一箇所に目が留まる。
年季が入ったコルクボード。
そこには、ご家族との写真だったり、小さい頃のまーくんが試合に出てるときの写真だったり、小学生のときにりーくんと3人で撮った写真だったり、
中学の卒業式の時、一緒に撮った写真だったり。
「そういえば二人で撮った写真ってないんだな…」
卒業式のときに撮った写真。
それにも、式を見にきたりーくんが写り込んでいる。
背景に写る空は快晴。
その日のりーくんは日差しにやられてぐったりしてたな、なんて事を思い出す。