第11章 反省
中学生ぐらいのときの事だった。
「椎名って正直かわいいよな?」
「分かる、顔と身体は最高。それ以外クソすぎて付き合いたいとかは思わんけど、一回ヤってみたいわ。」
そんな会話が聞こえてきた。顔も知らない先輩だった。
「やべ、衣更いんじゃん…」
俺に気づいて、そそくさと去って行ってしまい何も言い返すことはできなかった。
友達を侮辱されたのは許せなかったが、はじめてそこで友梨香が、かわいいと噂されている事を知った為拍子抜けしてしまった。
ただ、直接そんな話を聞いたのはそれ切りだったし、噂に関してはあまり気に留めていなかった。
けど、スバルの言う通り、高校生になった今、客観的に見ても友梨香はかなりかわいいらしい。
しかも高校になって、最近しっかりし出したし、もしかしたら前よりかは社交的になって、男子との関わりも増えて、さらにもしかして、告白とかも、されたりしてたら…
「ずるいよ!俺やホッケ〜、ウッキ〜は、思春期ながらもアイドルという目標のために女子との関わりを極力絶ってるというのに〜〜」
スバルの言葉にハッとする。冗談交じりで言っているだろうが、一気に頭が冷やされた。
そうだ、俺はアイドルになる為にここにいるんだ。
「…衣更、あまり交友関係に口出しはしたくないんだが、明星のいう通り、俺たちはアイドルを目指している。特に女性関連は、デビューした後に大きな問題になってしまうことも多い。それが、過去のことでも…」
北斗は、少し言いにくそうに、けどはっきりと言ってくれた。
その誠意に、しっかりと向き合わなきゃいけない。そう思った。
「そうだよな…うん。気をつける。ごめんな。」