第10章 罪悪感と欲求
「今日も友梨香の家、お父さんいないんだ」
わたしの家に上がるなり、明かりのない室内を見てりーくんはそう言った。
「仕事が忙しいんだって。…いつも言ってるでしょ。」
つい語気が強くなる。今日の事根に持ってるから態と言ってるんだ。
すると、りーくんが後ろから包み込むように抱きついてきた。
「ごめんね〜怒っちゃった?怒らないで、友梨香ちゃん。」
「…怒ってないよ。怒ってたのはそっちでしょ。」
「もう機嫌直ったよ。友梨香のお陰で。」
そう言って、りーくんがおでこにキスしてきた。
「も〜やめてよ!変なことするの」
「血ぃ吸われるより変なことってあるの〜?」
さっき噛んだ首元にもキスしてくるりーくん。
ご機嫌斜めだったときとは一変、すごく甘えてくる。
血を吸った後は、いつもこんな感じだ。
いつも距離は近くはあるけど、スキンシップが激しくなる。