第6章 会いたくて
「友梨香も最近勉強やらで忙しいだろうから、わざわざ凛月の事起こしに行かなくてもいいんだぞ。どうせ俺は通り道だし。」
思い出したように言うまーくん。
また出てきたなりーくんめ…
「わたしも朝はしんどいから滅多なことがない限り行くようにしないけど…
でも!まーくんはりーくんを甘やかしすぎだよ!もっとしゃんとさせないと共倒れだよ?」
わたしが言えた義理でもないが、嫉妬が手助けしてつい不満を漏らす。
「そうなんだよなぁ…いい加減に自立させないと。凛月は今年度で卒業だし…」
言われて思ったより深刻そうな表情をされ、少し可哀想になる。
りーくんほど解決策の見つからない問題児というのもなかなかいない気がする。
わたしもつられてううん、と悩んでしまってはっとする。
りーくんの話は今はいいの!
ふるふると首を振り眉間の皺を伸ばしてから、「そんなことよりさ!」と慌てて話を切り替える。
わたしの取り留めのない話にも優しく相槌を打ってくれるまーくん。
今日は普段お話しできない分沢山話すんだから!
だからりーくん、いない所までわたしたちの邪魔しないでよね。