第3章 目覚めと出会いの朝
そっと枕元を見下ろす。いつもなら現代から持ってきた鞄と、寝る前に外した髪飾りとそれをしまう小さな蒔絵の小箱しかない。しかし今は。
ここまで来ればぼんやりと予想はしていた。
そしてそれは見事に的中していた。でもまさかそんなことってあるのだろうか。
枕元には見知った顔が揃い、自分を見上げていた。小さな眼帯を着けて勝ち気そうに笑う子も、大人っぽい雰囲気を漂わせて優しそうに微笑む子も。自分を見上げ半分興味深そうに、半分意地悪そうに笑う子も、目元のほくろが色っぽく、こちらに向かってにこにこと愛らしく笑う子も。
全員知ってる、でも。
こんなことってあるのだろうか。
「ええええええええええええええっ!?」
驚きすぎてもう思考がショートしてしまった優希は声の限りに叫んでしまった。