第4章 めぐりあい
りん、と背後で涼やかな音色が響いた。
その音に気づき、振り返ろうとした男の肩に一陣の風が吹き抜けた。耳元を掠める冷たい感触と直後に首下に伝わる確かな重み。
「動かないでもらおう、死にたくはないだろう?」
低く、感情を押し殺したような声が背後から聞こえる。ひぃっ、と情けない声が男の喉の奥から漏れた。女に触れようとした手をすぐに引っ込めて尻餅をつくと、慌てて後ろへと振り返った。
側に同じように控えていた頭(かしら)やその仲間も声がしたほうに振り返ると松明を高く掲げてその正体を探った。