第6章 運動会
すると一松がカラ松の手からピックごと唐揚げを奪った。
「何も入ってないよ?そんなに嫌なら食べなくていいから」
そう言って唐揚げを頬張る一松。
カラ松はえ?え?とパニックを起こしかけている。
その横でおそ松兄さんが唐揚げを手に取り、それをまじまじと見ながら言った。
「もしかして、一松が作った唐揚げなの?」
「ふふふ、正解♪」
トド松が人差し指を立ててウインクする。
カラ松の目からだばーっと涙が溢れた。
そして隣のおそ松兄さんの手にある唐揚げをバクリと横取りする。
「あああああ!!カラ松、それ俺の!」
「ふんがふがふがふがぁんがふんがふがふがぁあああ!」
どうやら俺のハニーが作った唐揚げだ、俺のものだ!とでも言ってるんだろう。
一松は言っている言葉が聞き取れたのか顔を赤らめている。
やっぱこいつ等ケツ毛燃えろ!燃えてしまえ!
カラ松は終始涙を流しながら唐揚げとウインナーを皿に運ぶ。
可愛らしいウインナーは食べるのがもったいなかったのか皿に溜まりゆく一方だ。
それを見ておそ松兄さんがまたわーわーと騒ぎ立てる。
賑やかなお昼休憩を過ごした。
一松はそんな光景を嬉しそうに眺めていた。
指が痛そうだったがカラ松が食べたいものを取ってくれているようだった。
唐揚げのピックを使い食べているが、ピックで食べれないときはカラ松が食べさせる。
始めは嫌がっていたが今は満更でもない感じだ。
おそ松兄さんが前に言っていた一松にリア充顔されるのムカつくって話に今なら物凄く共感できると思った。