第6章 運動会
お弁当を持って赤塚グラウンドへやってきた。
グラウンドには既に沢山の人が集まっていた。
観覧席のテントの場所取りで先に来ているカラ松兄さんと一松兄さんを探す。
「あ、カラ松兄さんいたよ~」
十四松兄さんが駆け出した。
その先を見るとカラ松兄さんが手を振っている。
「あれ?一松兄さんが見当たらなくない?」
パッと見た感じカラ松兄さんの姿しか見当たらない。
すると顔を赤くした十四松兄さんがが猛スピードで戻ってきた。
「はわはわはわっ!!」
十四松兄さんは動転しすぎて声が出ていなかった。
「だはははは、十四松声出てないから!テンパりすぎ!」
おそ松兄さんが大袈裟に笑う。
十四松兄さんは結局何も言えないままカラ松兄さんの方を指さしていた。
とりあえず行けばわかるだろうと僕達も足を速めた。
カラ松兄さんの所へ到着すると一松兄さんが寝ていた。
「フッ、まいったな・・・」
サングラスをクイッと上げながらカラ松兄さんが頬を赤らめる。
「あ、あのこれ・・・」
僕は言葉を失った。
チョロ松兄さんも同じく立ち尽くしている。
十四松兄さんは相変わらず赤面して袖で顔を覆って、少し目を出している・・・意味あるのかな?
そんな中おそ松兄さんは構わずレジャーシートの上に上がってカラ松兄さんの横に座り込んだ。
「一松もこんなところで・・・大胆になったもんね?」
「いや、もともとは普通に横になっていたんだが・・・」
カラ松兄さんは困ったように胡坐をかいた自分の足の上に視線を落とした。
カラ松兄さんの足の上に一松兄さんが覆いかぶさる形になっている。
更に、一松兄さんの腕はカラ松兄さんの胴体にしっかり回されている。
要するにお腹に抱き着いている感じだった。
落ち着きを取り戻した僕はスマホのカメラを起動した。
「これ、一松起きたら機嫌悪くなりそうだよね・・・」
チョロ松兄さんが青い顔をして言う。
するとおそ松兄さんがケタケタ笑いながら否定の意味で手をひらひらと振る。
「だいじょうぶだいじょぶ、カラ松が殴られたら済むから」
にかっと笑顔を向けるおそ松兄さんにカラ松兄さんが見捨てるなとすがると、カラ松兄さんが動いた振動が伝わったのか一松兄さんが唸った。
僕達に緊張が走る。