第6章 運動会
おそ松と俺で家の目の前の道を50メートルほど全力疾走する。
結果は僅差だったが俺の勝ちだった。
「毎日ダラダラしてるニートとは思えない速さだよね」
トド松が珍しく感心したように言う。
俺は一松はどう見てくれているだろうかと一松に目を向けたが、一松は十四松と喋るのに夢中でまったくこっちを見ていなかった・・・
部屋に戻った俺達はリレーの欄に俺の名前を書き、話し合いの続きを始める。
「僕、二人三脚とか恥ずかしいから借り物競争でいいよ!」
というトド松にチョロ松が猛抗議する。
「ちょっと待ってよ!そしたら僕はおそ松兄さんと二人三脚になるじゃないか!絶対無理!」
「チョロちゃん酷~~~い!お兄ちゃんいじけちゃうよ?」
「勝手にいじけてろっ、クソ長男!」
いつまでたっても言い争いが終わりそうもなかったので止めに入る。
「まあまあ、ここは公平にあみだくじと行かないか?」
俺は適当な紙とペンを用意してきてそこに三本の線を描く。
三人には見えないように線の下に競技名を描いて折り曲げた。
「さぁ、三本の線の間に一人二本ずつ線を書き足してくれ」
六人全員が書き足して出来上がったあみだくじをじゃんけんで勝った順に選ぶ。
そしてそれぞれの出場競技が決まった。
障害物競走は十四松、騎馬戦は一松、借り物競争はトド松、リレーは俺、二人三脚はおそ松とチョロ松だ。
がっくりと項垂れるチョロ松にトド松がフォローを入れる。
「ドンマイッ、チョロ松兄さん!でも、まだおそ松兄さんと走るって決まったわけじゃないよ?」
「六つ子だぞ!?息が合うだろうとか言って絶対組まされるに決まってるんだ!」
そういや学生時代もそうだったなと俺達が昔話に浸る中チョロ松はしばらく項垂れていた。