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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第1章 悪夢


「・・・つ!一松、しっかりしろ!」
寒い・・・雨?
この声は、カラ・・・松兄さん?

朦朧とした意識の中俺は体を起こそうとした。
だけど体のあちこちに痛みが走る。
そこで思い出した。
俺はあいつらに殴り掛かったが力的にも人数的にもかなうわけがなく返り討ちにあったのだ。

目を開けるとびしょ濡れのカラ松が俺をゆすっていた。

「一松、気が付いたか!?わかるか?」
「カラま・・・つ兄さん」
「いったい何があったんだ!?この猫は?」

俺は改めて段ボールの中の三匹を見て大粒の涙をこぼした。


「俺・・・のせいで・・・シロとクロとトラが殺されたんだ!俺の唯一の友達が・・・うわああああああああああ」

カラ松は何も言わず、俺を力いっぱい抱きしめてくれた。





「一松、落ち着いたか?このままじゃ俺達も子猫も寒いし風邪をひいてしまう。ちゃんと暖かくして埋めてやろう?」

俺は小さく頷いた。





取り合えず基地の中に入った。
しばらくすると十四松がバスタオルを持ってやってきた。
俺とカラ松は濡れた体を拭いた。
十四松は猫を拭いてくれていた。

「ありがとう、十四松」
「ううん、猫さんも寒いでしょ?拭いてあげるのは当たり前だよ?」

気持ち悪がらずやってくれた十四松の気持ちが嬉しくて俺は目頭を熱くした。
カラ松と十四松が俺の頭と背中を撫でてくれる。

「さぁ、一松、子猫たちはそろそろ寝る時間だ。雨にぬれない河川敷の橋の下にでも連れて行ってやろう」
「うん」

そうして俺たちは十四松の持ってきてくれた傘を差し、河川敷へ向かった。









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