第5章 十五夜のうさぎ
トド松とカラ松で団子の材料の買い出し。
おそ松兄さんとチョロ松兄さんで朝食の後片付けと団子づくりの準備。
俺と十四松でススキを取りに行く。
という役割分担になった。
十四松はランニングも兼ねていくらしく野球のユニフォームを着てきた。
「俺、ゆっくり行くから先行ってていいよ」
「大丈夫っすよ、兄さん!」
そう言って十四松が俺をわきに抱えた。
「・・・あの、十四まつぅうううわあああああああああああ!!!」
顔の肉が全部剥がれ落ちるんじゃないかってくらいの風圧を感じた。
これはもう、警察に捕まっても文句は言えないと思うほどの速度であっという間にススキ畑に到着していた。
十四松酔いしてしまった俺は結局ススキ摘みどころじゃなく、ススキ畑の横でぐったりしていた。
しばらくすると手にいっぱいのススキを持った十四松らしきモノが戻ってきた。
ススキ畑の中を駆け回ったのか人型の真っ白い綿みたいになっている。
「・・・じゅうし、まつ?」
そう問うと、「ドゥーーーーーン!!!」という掛け声?と同時にどうやっているのか綿毛がぼんっと弾けるように十四松から離れた。
「僕だよ、十四松!」
「うん、知ってる、こんな事できるのお前くらいだから」
最近はカラ松と過ごす時間が増えた分、十四松とのこういうやり取りが久しぶりですごく楽しかった。
俺と十四松はしばらく笑い合った。