第5章 十五夜のうさぎ
9月××日
一松side
今朝もいつものように六人で食卓を囲んで賑やかな食事が始まった。
テレビは付けているけど半分聞こえない。
たまたま会話が途切れた時だった。
『今夜は十五夜です!三年ぶりの快晴で各地でお月見日和となりそうです!』
テンション高めの女子アナの声が食卓を包んだけど、俺も含め皆何の反応も示していない・・・と思ったら俺の右隣り。
トド松がスマホを取出し素早く指を走らせてから立ち上がった。
「ねぇねぇ!僕達もお月見しない!?」
するとおそ松兄さんが怠そうに言う。
「やりたい奴でやったら~。俺パス~。だいたいね、今時お月見なんて聞いたことある?月なら銭湯行くとき見れるでしょ?」
そんな心無い言葉にトド松が反論しようとした時、チョロ松兄さんが遮る様に言った。
「僕は賛成!準備も楽しそうだし、たまにはいいんじゃないかな?」
「僕もやりたいっす!おだーんご!おだーんご!!」
トド松と十四松が抱き合ってワイワイやりながら俺とカラ松の方を見る。
「カラ松兄さんと一松兄さんは今晩空いてる?」
俺は特に用はないがカラ松がどこかに行くつもりだったかもしれないと思いカラ松を見遣った。
「俺と一松は昼間猫に餌をやりに行く以外は用はないぞ」
なあ、一松と確認をされ頷いた。
「俺、お月見参加するよ。カラ松は?」
「一松が参加するならもちろん!それに、たまにはムーンライトの下、ハートフルなソングをk」
「カラ松は不参加だって」
「おいいいいいいっ、いちまぁああああつ!参加するといっただろう!?」
「じゃあ、黙ってろ」
「えっ!!?」
そうやってわいわいやっていると仲間外れは嫌だったのかおそ松兄さんも参加すると言い出した。
そして俺達は夜までお月見の準備をすることになった。