第4章 二人のカタチ
トッティーは緊張してるのか声のトーンが変わった。
それに気づいたのか一松兄さんは浅く座っていたのを座りなおしてトッティーに向きなおった。
「絶対幸せになってね!」
「うんうん!!絶対っ、約束でっせ!」
一松兄さんは一気に赤くなって俯いちゃった。
トッティーは構わず続ける。
「僕達、一松兄さんには笑っていてほしい。だからね、辛いこととか困ったことがあったら弟でも遠慮せずに頼ってよね?」
「一松兄さん、僕やきうならやってあげられるよ!」
「もー、十四松兄さんこういう時くらい野球から離れてよ!」
トッティーに叱られちゃった。
一松兄さんは真っ赤になってるのが恥ずかしくて顔を上げられないでいたけどコクリと頷いて「あり、がとう・・・十四松、野球しよ」と言ってくれた。
僕はとっても嬉しかった。
遊ぶ機会は減るかもしれないけど一松兄さんは変わらず僕の兄さんなんだと思えたから。
「ねぇねぇ、プリクラ撮りに行こうよ!」
「トッティーそれ、ナイスアイディア!」
「え、ヤダ・・・魂吸い取られる」
「もー、乗り悪いよっ、一松兄さん!魂吸い取られないし、デートの練習!」
僕とトッティーで嫌がる一松兄さんを引きずってゲームセンターに向かった。
いやだいやだって言いつつも一松兄さんの顔は笑っていた。