第4章 二人のカタチ
チョロ松side
おそ松兄さんはカラ松と釣り堀に十四松は野球にトド松はデートにでかけて、部屋には僕と一松だけだった。
僕は集中できなくて読んでいた求人誌をぱたんと音を立てて閉じる。
「一松、何か用?」
「・・・・・・・・・」
いつもなら部屋の隅に座ってじっとしているか昼寝してるのに今日の一松は立ったり座ったり落ち着かないようだった。
「何だよ、兄弟なんだから遠慮しないで言ってよ」
すると一松は僕の前に座りなおして俯いたまま口を開いた。
「チョロ松兄さんは俺達の事どう思う?」
「どうって?」
「男同士だし兄弟だし・・・気持ち悪いとか思うでしょ」
「そんなこと思ってたら初めから協力したりしないよ」
「え?」
僕はキャンプを計画した時の話をした。
一松に怒られるかもしれないと思ったけど、普通とは違う恋愛で不安もあるだろうし、皆が見方だってことをわかって欲しかった。
それを知れば少しは不安も拭い去れると思ったから。
「一松もカラ松の事が好きなんでしょ?カラ松も一松が好き。僕達も一松達の味方だよ?恋愛経験ない僕が言っても説得力ないかもしれないけど、今は無い壁作るよりカラ松との楽しい時間だけを考えて過ごしたらいいんじゃないかな?乗り越えなくちゃいけない壁ができた時はまた相談してよ。」
一松の顔にほんの少し笑顔が見えた。
少しは力になれたかなと嬉しく思う。
確かに兄弟同士で同性で同じ顔なんてどこを探してもこの二人だけだろう。
そして理解してくれる人はなかなかいないと思う。
だからいつか必ず何か起きる。
その時は僕達が味方になって守ってあげよう。
そう思った。