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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第3章 勇気


カラ松と十四松のやり取りを聞いていたおそ松兄さんが「ん?」と頭上に疑問符を浮かべた。

「カラ松、風邪ひいてんの?」

「ああ、実は昨日・・・」
カラ松は昨夜川に落ちた時のことを話し始めた。
俺はそこで初めてカラ松が高熱を出していたことを知った。
しかもそれが原因で川に落ちたって・・・
風邪をひいたのは俺が殴った時にずぶ濡れになった所為?
じゃぁ、川に落ちたのって
カラ松が死にかけたのって・・・俺の所為?

「一松っ!?」
「え?」

気が付いたら俺は頭を抱えてしゃがみこんでいて、チョロ松兄さんが俺の肩をしっかりしろと叩いていた。
それを見ていたおそ松兄さんがひょいっとベットから降りる。

「カラ松、俺達腹減ったし帰るわ!」
おそ松兄さんは俺の頭をポンポンとして、にかっと笑った。
そして皆を連れて帰ってしまった。

俺はカラ松に背を向けたまま動けないでいた。
そんな俺の手をカラ松が握る。

「屋上に行かないか、眺めがいいらしいぞ?」

俺は無言で手を引かれるまま歩いた。

屋上に着くと俺達は人気のない一番奥にあるベンチに座った。

「元気がないようだが?もしかして、俺が川に落ちたのは自分の所為だと思っているのか?」
「だって、そうでしょ?風邪ひいたのは俺の所為なんだから」
「俺が風邪ひいたのはお前の所為なんだな?」
「そうだよ。何?恨めしい?気が済むまで殴るなり蹴るなり好きにしていいよ。ヒヒッ」

昨日はあんなに素直になれたのに結局俺はこんなんだ。
本当、ゴミだよね。

「気が済むまで俺の好きにしていいんだな?」
「そういってるでしょ」

「じゃあ遠慮なく」と言ってカラ松が動いた。
俺はこれから来る衝撃に備えて目をぎゅっと閉じ、歯を食いしばった。






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