第3章 勇気
一松side
お昼頃、皆がカラ松の見舞いに来た。
結局キャンプは朝早く切り上げてきたらしい。
「よっ、カラ松調子はどうだ?」
おそ松兄さんが鼻の下を擦りながらベットの足元にボフッと遠慮なく座る。
「ああ、この通りなんてことない。皆のおかげで命拾いした、ありがとう!」
「何言ってるんだよ、当たり前の事だろ!」
「そうだよ、カラ松兄さん・・・ひっく」
「え?何、トド松泣いてんの?」
「う、うるさいなー!泣いてなんかっ・・・よかった、カラ松にいさーーーーーん!」
チョロ松兄さんと言い合っていたトド松だったけど珍しくトド松が完敗したようだった。
いつもはイタイイタイとカラ松を馬鹿にしているけど昔はよくつるんでただけあって心底心配していたらしい。
カラ松のお腹に抱き着いてわんわん泣いていた。
そんな姿を見て少し羨ましく思った。
俺も素直に言葉にしたり行動出来たらこんな風にカラ松に撫でてもらったり喜ばれたりするのかな・・・
ふと視線を感じた。
ぱっと顔を上げるとおそ松兄さんとチョロ松兄さんがにやにやとこっちを見ていた。
そこではっとする。
昨日勢いでカラ松に告白したけど・・・こいつら全員あの場にいたんだ!
あ゛~~~~~~~~~!!!!
終わった!俺の人生終わったじゃん!ジ・エンド!!
「一松兄さん!」
その時後ろから十四松に声を掛けられた。
「な、何、十四松?」
十四松はいつものどこ見てるかわかんない満面の笑みで言う。
「セクロスした!?カラ松兄さんと!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一番ピュアだからって油断してたよ完全に!
うわあああああああ、もう死にたい!
ってか、ここ大部屋!
皆こっち見てんじゃんどーすんだよこの状況~~~!
「じゅうしまぁああつ!誤解を招く言い方はよすんだじゅうしまぁああつ」
言いながらカラ松が十四松の口を塞いだ。
「昨日の合コンは俺が風邪でぶっ倒れてそれどころじゃなかったんだ、いいな?わかるよな、じゅうしまぁ~つ?」
横からチョロ松兄さんも小声で俺が恥ずかしがるから黙ってろと釘を刺してくれた。
十四松はうんうんと大きく頷いている。
カラ松・・・俺がこいつに助けられるのはこれで二度目だ。
やっぱり俺はカラ松ボーイズだよおおおおおお!!!