第3章 勇気
一松side
夜十時、バーベキューの片づけを終え、明日も昼過ぎまで遊ぶ予定だから寝ることになった。
テントには俺とカラ松の二人だけ。
あの告白の返事をしなくちゃって考えれば考えるほど居心地が悪い。
どう切り出していいのかとかホントわかんない。
いっそ、聞いてきてくれないかなとか考えていたらカラ松が声をかけてきた。
カラ松に背を向けて寝ていた俺はうつ伏せになって首だけカラ松の方に向ける。
「何?」
「・・・・・・・・・」
にっこり微笑むだけで何も言わないカラ松に少しムッとする。
「すまない、怒らないでほしい。この前も言っただろう?お前を愛していると。あれは本心だから、こうしている今も一松の一つ一つの行動が可愛くて見惚れてしまうんだ。」
「ねぇ、またぶっ飛ばされたいの?この際だからはっきり言っとくけど・・・」
俺は唾を飲み心を落ち着かせるよう努めた。
そして、心にもない言葉をカラ松に浴びせた。
「俺、そういうの無理だから。っていうか兄弟としても俺がお前のこと嫌いなの知ってるでしょ?・・・ヒヒ」
おやすみと再び背を向けた。
喉の奥が痛かった。
今までないくらい歯を食いしばった。
泣きそうなのがばれそうで息もできなかった。