第3章 勇気
一松side
今日は朝からカラ松に背負われたりカラ松とテント立てる羽目になったりで落ち着く暇がなかったけど、テントを張った後カラ松はおそ松兄さんと近くの川に釣りに出かけたからやっとゆっくりなるなと思っていたらトド松が何やら鞄から取出し、俺の頭に被せてきた。
「はいっ一松兄さんの分!」
「は?何?」
立ち上がってみると首から布がだばっと膝上まで広がった。
紫のエプロンだった。
胸元に猫と猫の足跡がプリントされている。
「何これ!」
「何ってエプロンだよ?はい、十四松兄さんはこれね!」
同じく十四松の頭にもエプロンが被せられる。
十四松のは黄色いエプロンで卵の殻を被ったひよことひよこの足跡がプリントされていた。
ひよこさんだ~と大喜びしながら袖をバタバタさせて走り回っている。
それを満足げに眺めながらトド松とチョロ松兄さんもエプロンを着て、トド松は俺のをチョロ松兄さんは十四松のエプロンの紐を結ぶ。
「ねぇ、エプロンとか恥ずかしいんだけど・・・脱いでいい?」
「ダメ!せっかく準備したんだから!」
トッティーはぷーっと頬を膨らませながら今度は鞄から野菜を取り出した。
今日の夕飯はバーベキューだ。
俺たちは手分けして野菜を切って受付でレンタルしてきたバーベキューコンロを組み立てた。
すると、額の汗をぬぐいながらチョロ松兄さんが言う。
よし、あとは兄さんたちが戻ってくるのを待つだけだから川で水遊びでもしようか?
そう言って鞄から海パンを出してきた。
用意が良いなぁ~と感心した。
更衣室で海パンに履き替えて川に向かった。
川の水はまだかなり冷たかった。
俺たちはひざ下くらいの深さのところを行ったり来たりしながら魚を見つけてはワイワイと子供の様にはしゃいだ。
十四松は海パン一枚になって泳ぎまくっていた。
寒くないのかなと傍観していた俺達に十四松がまき散らす水がかかり大騒ぎしたのは言うまでもない。