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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第20章 6人旅(旅行編)


一松は視線を少し上に向けて記憶を手繰るような仕草をした後、十四松に視線を戻して首を横に振った。

「同じなのは顔と名前だけじゃなかったと思う。というか、格好とか背丈とか年齢以外は全くそのまんまの俺達だったよ」

それを聞いて十四松は確信したように、「うんうん」と頷いて俺達に振り返る。


「ほら!!」


「いや、ほらって言われても・・・」と芸人さながらにこけて見せたチョロ松。


俺も、付いていた頬杖からずり落ちた。


「十四松ぅ~、もっとお兄ちゃん達にもわかるように話してくれない?」

「っえ゛~~~~!!!わっかんないのぉ!?」

頭を抱えて「ぬ゛ぉおおお!!」と、大きくのけ反る十四松に他の兄弟と俺は顔を見合わせて首を傾げた。
十四松は、のけ反った体をぶんっ!と音がしそうな勢いで起こすと、大袈裟な身振り手振りで言う。


「皆はもし、このまま封印が解けなかったらカラ松兄さんと、それを助けようとする一松兄さんを置いて帰っちゃうの?」

すると、一松は俺達を見ているようだった。


俺とチョロ松とトド松は顔を見合わせる。


「帰るわけないでしょ!」


少し不貞腐れたように頬を膨らますトド松に俺とチョロ松も続く。

「トド松の言うとおりだよ、帰るわけないでしょ?」
「そんなに俺たち信用無い?十四松は返っちゃうの~?」

「帰らない!」


きっぱりと答える十四松。
あんぐりと開けた口はどこか楽しそうだった。

そして、やっぱり楽しそうに言う。


「だったら、妖怪だった僕達も一松兄さんと同じ様にここに残ったと思う!」


チョロ松が小さく「はっ!」と声を出して俯いた。
そして次第に手が震えだしたかと思うと、勢いよく立ち上がって十四松の肩を鷲掴みにした。

「すごいよ、十四松っ!!お手柄だ!」

俺は訳が分からず一松とトド松を交互に見やった。
二人も何かに気づいたようで嬉しそうな涙を溜めて、唇を震わせている。


「え~~~、何何何!?俺だけ仲間外れとかヤダ~~~!」

駄々をこねると、チョロ松が俺の顔面に枕を投げつける。

「これだから馬鹿は!」


枕が思いっきり擦って行ったお陰で赤くなったであろう鼻頭をさすって、涙目をチョロ松に向ける。
すると、流石チョロ松。
俺にもわかりやすいように説明してくれた。

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