第3章 勇気
6月××日
トド松side
今日はついに作戦決行の日。
一泊二日でキャンプに行く。
それぞれが荷物を持ち、駅に向かう。
一番前をテンション高めな十四松兄さんと一松兄さん、その後ろをおそ松兄さんとチョロ松兄さん。
そしてその後ろを僕とカラ松兄さんで歩いている。
これも作戦通り。
今は一松兄さんをカラ松兄さんから遠ざけたかった。
「カラ松兄さん、話があるんだけど」
「ん?」
カラ松兄さんは僕に視線を向ける
「今日のキャンプ、実はカラ松兄さんと一松兄さんの為に計画したんだよ?」
「そうだったのか!?」
「しっ!声がでかいよ!」
僕は一松兄さんがこちらを見ていないか様子をうかがいながら口に人差し指を当てる。
「盗み聞きしたつもりはないんだけど、実はこの前カラ松兄さんが一松兄さんに告白してるの聞いちゃったんだ」
「あ、ああ・・・」
心なしかカラ松兄さんの頬が赤くなった気がした。
青春してるなぁって少し羨ましくなる。
「でも、返事聞き出してないでしょう?だから、キャンプの間に返事を聞き出してもらおうかと思って。もちろんOKっていうね?」
僕はウインクして見せた。
OKの返事をもらった時の事でも考えたのかカラ松兄さんの口元が緩む。
それに自分でも気づいたのか口元を押さえながら言う。
「トド松の事だ、ただキャンプを計画しただけではないんだろう?」
期待するような声に嬉しくなってもちろんと力強く返す。
そして僕は駅までの道中作戦内容をカラ松兄さんに説明した。