第3章 勇気
あれから二週間ほどたった。
今日はネコ缶が切れる日だということを僕は調査済み。
前もってカラ松兄さんと一松兄さん以外の兄弟を招集しておいた。
カラ松兄さんと一松兄さんが出かけた後、僕はホワイトボードを準備して注目を促す。
「兄さん達注目!!今から一松兄さんの返事を聞き出す大作戦を決行するにあたって会議をします!」
「トッティー、返事って何の?あはー、僕わっかんない~!」
十四松兄さんが関節どうなってんのか、うねうねしている。
僕は自分のことのように胸を張って自慢げに答えた。
「カラ松兄さんは既に一松兄さんに告白してるんだ」
「まじっすか!まじっすか!?」
驚きの声を全員が上げる・・・予定だった。
でも、響いたのは十四松兄さんの声だけだった。
「十四松は鼾かいて寝てたもんね」とチョロ松兄さんが笑っている。
「そーだよ、十四松の鼾で二人の会話半分聞こえなかっただろー!しかしさぁ、一松があんな風に泣くのはレアだったよな」
わいわいと楽しそうに三人で盛り上がっているのを見て何だか腹が立ってくる。
不機嫌になった僕の顔を見てチョロ松兄さんが慌てたようにフォローを入れてくる。
「あっ、えっと何だっけ?返事を聞き出す大作戦いいと思う!でも、僕達じゃいい案思いつかないよね!でも、トド松はもう何か思いついてるんじゃないの?」
ご機嫌どりなのはわかってるけど気をよくした僕は予定通りプレゼンを開始することにする。
「やっぱり兄さん達には無理だよね~。ってことで僕が考えた案をとりあえず聞いてよ、その後で皆で意見しあって計画を立てていこう?」
「ふーん、なんだかよくわかんないけどお兄ちゃんに聞かせてごらーん」
僕はホワイトボードに力強く文字を書く。
『カラ松兄さんと一松兄さんをくっつける大作戦』
「ん?トド松、返事を聞き出すじゃなかったの?」
「いーのいーの♪」
そんな感じでワイワイと話し合いは進み、二週間後に六人でキャンプに行くことになった。
作戦、成功するといいな・・・
ううん、絶対成功させてやる!