第19章 十四松の願い
するとトッティーは顔を真っ赤にして
「はぁ!?そんなわけないでしょ!言ったら叶わなくなっちゃうから言わないけど絶対そんなんじゃないから!お前達愚兄には一生かかってもわからないから!」
と大声をあげた。
最後の方は心なしか声が震えていた。
「図星?」
と、僕が言ったらすんごい怖い顔で睨まれて、慌てて一松兄さんの後ろに隠れる。
すると、振り向いた一松兄さんが僕の願い事を聞いてきた。
「僕はね、うーん…」
皆の視線が僕に集中する。
「えっとね、僕の願い事は
あれ?何だったっけ?」
「はー?十四松、お前自分の願い事忘れちゃったの⁉︎」
「やっぱりお前はバカだな!」
ふー、良かった。
言わなくて済んだ。
これで、僕の願い事は叶うよね?
願い事の話は餅が焼きあがったことで終わりを告げ、僕達は餅を食べながら、再び正月の特番をぼーっと眺めて過ごした。