第18章 二人きりのクリスマス(クリスマス)
一松side
六つの白煙が空に昇っていくのを見上げていると目の前を歩いていた十四松がくるっと振り返る。
「一松兄さん!寒いね!!大丈夫!?僕の靴下貸そうか?」
十四松は季節感のちぐはぐな足を高々と上げて見せた。
俺は思わず笑いながら「大丈夫」と返す。
十四松は「すっげーあったかいのに~」と残念そうにもこもこの靴下を見つめていた。
俺は隣を歩くチョロ松兄さんに言う。
「チョロ松兄さんのプレゼントが十四松に渡ってよかったね」
「うん、あんなに気に入ってくれたみたいだし・・・」
俺は思わずヒヒッと笑った。
「そうじゃないよ。僕だったら絶対あんな靴下履かないし」
「なっ!」
くわっと眉を上げたチョロ松兄さんにチョロ松兄さんの向こう側を歩くトド松が「僕も一松兄さんと同意見~」と口元にてをあててププーと笑っている。
「何なんだよお前らーーーー!!!」
そう言って走り出したチョロ松兄さんからひょいひょいっと軽やかに逃げ回るトド松。
すると、「なになに~?鬼ごっこ?僕も入れて~♪」と走り出した十四松が俺の股の下からよいしょーーー!と顔を出した。
俺も強制的に謎の鬼ごっこに参加させられ、嫌な汗をかく羽目になった。